どうもこんばんは。
定番と流行りの狭間にある音の変化に右往左往するsugi-sugu(スギスグ)です。
有線ヘッドホンにも“流行り廃り”はありますが、まるで関係ないかのように高い評価と人気を維持し続けている存在が「定番」です。
今回は有線ヘッドホンの定番にスポットをあてて、次のポイントをご紹介します。
「有線ヘッドホン選びで迷っている方」や「定番ヘッドホンの情報をチェックしたい方」、あと「流行りなんて興味ない!と、いぶし銀のオーディオセンスをお持ちの方」にも役立つ内容となっています。
定番のいぶし銀を信じては、流行り廃りに翻弄されてるオーディオ歴17年のライターのsugi-sugu(スギスグ)です。
この記事では、定番の良さを改めて確認し手元に一つは持っていたくなるような“ヘッドホン”をご紹介していきます。
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◆有線ヘッドホン
ゼンハイザー HD599SE/beyerdynamic DT 990 PRO
◆ワイヤレスヘッドホン
ag WHP01K/SONY ULT WEAR/Edifier W800BT Pro
◆ヘッドホンアンプ
FiiO K7
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目次
- 1 「定番」の有線ヘッドホンはここがすごい!
- 2 聴き継がれる名機!定番の有線ヘッドホン 12選
- 2.1 ゼンハイザー HD600(1997年発売/開放型)
- 2.2 ゼンハイザー HD650(2003年発売/開放型)
- 2.3 ゼンハイザー HD599SE(2019年発売/開放型)
- 2.4 SONY MDR‑MV1(2023年発売/開放型)
- 2.5 SONY MDR‑7506(1991年発売/密閉型)
- 2.6 Beyerdynamic DT 990 PRO(1985年発売/開放型)
- 2.7 Beyerdynamic DT 700 PRO X(2021年発売/密閉)
- 2.8 Audio‑Technica ATH‑M50x(2014年発売/密閉型)
- 2.9 AKG K701(2005年発売/開放型)
- 2.10 HIFIMAN Sundara(2017年発売/開放型)
- 2.11 Meze 99 Classics(2015年発売/密閉型)
- 2.12 TAGO STUDIO T3‑01(2017年発売/密閉型)
- 3 番外編:定番になる予感の新星ヘッドホン3選
- 4 こんな人におすすめ! 定番 vs 流行り vs ワイヤレス
- 5 定番ヘッドホン選びで失敗しない 6つのポイント
- 6 まとめ
「定番」の有線ヘッドホンはここがすごい!
定番の有線ヘッドホンには“ここがすごい!”というところがあります。
その前におさらいとして定番かどうかに関係なく、有線イヤホンのメリットをまとめてみました。
【有線ヘッドホンのメリット】
- 音質的コストパフォーマンスが高い
有線ヘッドホンは、ワイヤレスには当たり前に搭載されるBluetoothチップやノイズキャンセリング、バッテリーなどの “機能コスト配分”が抑えられます。ケーブルで接続するため音質の劣化もほとんどありません。
コストを「音」に全振りすることが可能なので、音質的なコストパフォーマンスが高くなるのも納得です! - バッテリー切れの心配ナシ
有線ヘッドホンはつなげば音が鳴るので“充電切れ”に悲しむことはありません。ワイヤレスヘッドホンのようなバッテリーの劣化とも無縁なので、10年、20年と愛用できます。 - DACやヘッドホンアンプ、DAPとの相性がいい
音質劣化の少ない有線ヘッドホンなら、DACやヘッドホンアップ、DAPなど、高音質な再生を目的とするアイテムとの相性が抜群!
機器からの情報をダイレクトに伝送できる“有線”だからこそ体験できる音質は、ワイヤレスにはないメリットです。
これらを前提に、“定番”の有線ヘッドホンのスゴイところをご紹介します。
定番になるほどの安定した評価
SONY、ゼンハイザー、Beyerdynamicなど、定番の有線ヘッドホンには数十年にわたり“リファレンス”の座を守り続けるモデルがあります。
流行り廃りとは無縁の、 “普遍的な人気の高さ”が評価されています。
有線ヘッドホンが定番となりえる要素の一番は、やっぱり高音質であること。デザインや使い勝手の良さ、カスタマイズ性の高さなども、安心して選べる定番のポイントです。
プロの現場に導入される信頼性
MDR‑7506やDT 990 PROなど、レコーディングスタジオや放送局等のプロの現場で実戦投入されているモデルも多数あります。
ミュージシャンが信頼を寄せ愛用している名機もあります。
プロも認める信頼の高さは定番となる大きな理由です。
パーツやアクセサリーが豊富で“長く楽しく使える”
売れ続けているからパーツの供給が続いている製品も多く、イヤーパッドの劣化などでも純正パーツに取り替えて長く使えるのは定番ヘッドホンのうれしいところ。
さらに純正以外のアクセサリーも豊富なのでリケーブルで音の変化を楽しんだりと、プラスの楽しみ方を見つけやすいのも定番の魅力です。
安定した市場価値
定番の有線ヘッドホンは、一定の人気が持続しているので市場価値も安定していて安心です。
理由は…
- “定番”や流行りモノは、人気が高いから需要も高い。
- 中でも“定番”は人気が持続するから需要も持続する。
- 需要が持続する“定番”だから市場価値も安定する。
スマホを例にしてみると、5万円で購入したスマホも10年経てば数百円程度の価値しかありません。
ところが定番のヘッドホンなら、新品で5万円前後のゼンハイザー HD600、発売から25年以上経過する現在も、中古市場では3万円前後とかなり高値で取引されています。
流行り廃りのヘッドホンや、バッテリーが劣化してしまうワイヤレスではこうはいきませんよね。
豊富なレビューや口コミを確認できる!
いざヘッドホンを購入しようと思ったときに、どんな音なのか?サイズ感は?つけ心地は?など、体感的なところが知りたかったりしますよね?
定番の製品なら、多くの評論家やユーザーがレビューしていたり、口コミやSNSでも活発に意見交換されています。
つまり、製品の情報が豊富です。
気になる製品の詳細をしっかりとチェックできるのも、定番の有線ヘッドホンの安心できるところです。

一昔前なら、店頭で視聴することを強くおすすめしていましたが、最近はネットの情報量が豊富なので概ね予想通りの買い物ができるようになりました。
ただし、購入前に目的や用途を明確にすることは忘れずに!
聴き継がれる名機!定番の有線ヘッドホン 12選
ここからは名機として知られる有線ヘッドホン 12選をご紹介します。
どのヘッドホンも高音質というのが前提!
その上で、それぞれの特徴をチェックして自分にピッタリなヘッドホン選びに役立ててください。
各ヘッドホンのスペック表は以下の通りです。
モデル名 | 発売年 | 構造 | 駆動方式 | 周波数帯域 | ドライバー サイズ |
インピー ダンス |
ケーブル長 | 接続端子 (変換アダプタ) |
ケーブル着脱 |
Sennheiser HD600 |
1997年 | 開放 | ダイナミック | 12~40500Hz | 42mm | 300Ω | 3.0m | 6.3mm (3.5mm変換付属) |
〇 |
Sennheiser HD650 |
2003年 | 開放 | ダイナミック | 10~41000Hz | 42mm | 300Ω | 3.0m | 6.3mm (3.5mm変換付属) |
〇 |
Sennheiser HD599SE |
2019年 | 開放 | ダイナミック | 10~38500Hz | 38mm | 50Ω | 1.2m 3.0m |
3.5mm (6.3mm変換付属) |
〇 |
SONY MDR-MV1 |
2023年 | 開放 | ダイナミック | 5~80000Hz | 40mm | 24Ω | 2.5m | 3.5mm (6.3mm変換付属) |
〇 |
SONY MDR-7506 |
1991年 | 密閉 | ダイナミック | 10~20000Hz | 40mm | 63Ω | 1.2m |
3.5mm (6.3mm変換付属) |
✕ |
Beyerdynamic DT 990 PRO |
1985年 | 開放 | ダイナミック | 5~35000Hz | 45mm | 250Ω | 3.0m | 3.5mm (6.3mm変換付属) |
✕ |
Beyerdynamic DT 700 PRO X |
2021年 | 密閉 | ダイナミック | 5~40,000Hz | 45mm | 48Ω | 1.8m 3.0m |
3.5mm (6.3mm変換付属) |
〇 |
Audio‑Technica ATH-M50x |
2014年 | 密閉 | ダイナミック | 15~28000Hz | 45mm | 38Ω | 1.2m/3.0m | 3.5mm (6.3mm変換付属) |
〇 |
AKG K701 |
2006年 | 開放 | ダイナミック | 10~39800Hz | 50mm | 62Ω | 3.0m | 3.5mm (6.3mm変換付属) |
✕ |
HIFIMAN Sundara |
2017年 | 開放 | 平面 磁界 |
6~75000Hz | 80mm | 37Ω | 1.5m | 3.5mm (6.3mm変換付属) |
〇 |
Meze 99 Classics |
2015年 | 密閉 | ダイナミック | 15~25000Hz | 40mm | 32Ω | 1.2m/3.0m | 3.5mm (6.3mm変換付属) |
〇 |
TAGO STUDIO T3-01 |
2017年 | 密閉 | ダイナミック | 10~40000Hz | 40mm | 70Ω | 1.2m/3.0m | 3.5mm (6.3mm変換付属) |
〇 |

今回は、まさに定番という製品を紹介するための基準として、「1.音質等の品質評価が高く、2.一定の人気を保ち続けていて、3.多くの人が手の届く価格帯(1万円台~7万円台)」の有線ヘッドホンを集めています。
単純に安いから売れている製品や、一部の人しか手が出せないような高額製品などは除外しています。
ゼンハイザー HD600(1997年発売/開放型)
1997年に登場したHD600は、発売から25年以上経つ現在も「原音再生」を語るうえで外せないモニターヘッドホンの金字塔として定番の有線ヘッドホンです。
解像度が高くワイドレンジ、フラットで自然な音域バランスは、クラシックからロックまで“録れたての空気感”をそのままに耳元へ運んでくれます。
インピーダンスが300Ωと比較的高めなので、ヘッドホンアンプなどで鳴らしてあげたいところ。音場の展開や微細な残響などは一変します。
HD600はモニターヘッドホンという位置づけですが、音そのものを自然につむぐような表現はリスニングとしても極めて優秀です。
ゼンハイザー HD650(2003年発売/開放型)
HD650は同じゼンハイザーのHD600を基準に、よりリスニングに特化した包み込むようなサウンドです。
2003年の発売から、僅かに重心を下げた、深くてなめらかな低音が全体像しっとり滑らかにまとめあげ、解像度の高い音をナチュラルに再生してくれます。
例えばボーカルの艶やかに歌う様子やオーケストラの豊潤な響きも、HD650だから表現できる空間が目の前に浮かび上がります。
300Ωと高めのインピーダンスなので、アンプやDAPにつなげば、より迫力と解像度が増し、濃厚なサウンドを体験できる名機です。
ゼンハイザー HD599SE(2019年発売/開放型)
HD599SEは、HD598の後継として2016年に発表されたHD599のAmazon限定カラーとして発売されました。
SE版はマットブラック × シルバーの精悍なルックスが人気で音質的な違いはありません。
基本軸としてフラットで高い解像度が音楽を描写。HD600シリーズを踏襲する深く温かみのある低音と開放型の広い音場がオールジャンルで活躍してくれます。
「HD600シリーズは少し敷居が高いけれど、入門機より一段上を」と考えるユーザーのベストステップアップ機として定番のヘッドホンです。
注目は価格。基本価格が28,930円ですが、Amazonのセールで時々15,000円以下のコスパ最強ヘッドホンに変身することがありこれは要チェック!
2万5千円の音質的価値を時々1万5千円前後で購入できるのだから、定番にならないわけありません。
SONY MDR‑MV1(2023年発売/開放型)
MDR‑MV1は「空間オーディオ時代のスタジオリファレンス」を掲げて2023年にデビュー。
5Hz~80,000Hzを再生できるHDドライバーと背面拡散ポートにより、定位が点で結ばれる超立体的サウンドステージを実現します。
インピーダンスが24Ωと駆動しやすいので鳴らしやすく、高音質なので「配信も音楽鑑賞もコレ一台で完結」できる大人気のヘッドホンです。
装着感にも定評があり、長時間の音楽鑑賞や作業でも疲れません。
SONY MDR‑7506(1991年発売/密閉型)
MDR‑7506はレコーディング、放送現場の標準機として30年以上にわたり世界中で使われるヘッドホンです。
軽量230 gかつ折り畳める堅牢ボディと、63Ωで適度に駆動しやすい設計で広く親しまれています。
高い解像度でタイトな低域と輪郭クッキリの中域、繊細な高域を描写し、極めてフラットなバランスで録音に込められた情報を的確に再生。
同じくソニーの定番として名高いMDR-CD900STは国内人気が高く、MDR‑7506は海外での評価が高いモデルです。
MDR‑7506の価格は実売1万円前後と手が届きやすく、修理用パーツも安価に入手できるため“使い倒せる実用機”として不動のポジションを確立しています。
Beyerdynamic DT 990 PRO(1985年発売/開放型)
DT990 PROは、1985年の発売から今なお世界中のミュージシャンに愛され、スタジオでも活躍中。
リアルな音像や定位感がとても魅力的なモニターヘッドホンです。
250 Ωと高めのインピーダンスではあるのの、ヘッドホンアンプなどでドライブすると沈み込むような低音と透き通る高域が広がり、繊細な表現からライブ盤の迫力までを余すところなく再現してくれます。
開放型ですが、深い低音と迫力がロックやEDMも良好なサウンド。モニターヘッドホンとしてだけでなく、音楽鑑賞さらに映画鑑賞にも最適です。
シルバーのベロアパッドで快適な装着感と渋い雰囲気もカッコいい!
Beyerdynamic DT 700 PRO X(2021年発売/密閉)
DT 700 PRO X は、古参の定番「DT770 PRO の密閉感 × DT990 PRO の広がり」を狙った新定番として人気の有線ヘッドホンです。
新開発のSTELLAR.45ドライバー(45mm)を 48Ωで駆動し、5Hz‑40,000Hzの超ワイドレンジを展開。
密閉型として優秀な分解能や定位感を備え、空気がこもらずクリアな音質を再現します。
さらに低音はしっかりと量感を保ちつつブーミーにならず、タイトでスピード感ある出力で、モニター的な使用はもちろんリスニングにも優秀なヘッドホンです。
DT 700 PRO Xのハイレゾな現代の音を過不足なく鳴らしきる実力。
初代DT770 PROなどからの正統進化によるノウハウと新技術の融合により定番ともいえる人気を作っています。
Audio‑Technica ATH‑M50x(2014年発売/密閉型)
ATH‑M50xは、世界のレコーディング、ミキシングなどでも活躍するプロご用達のモニターヘッドホンです。
45mmドライバーが放つタイトでパワフルな低域とフラットな中高域でジャンルを選ばず使える万能モデル。
インピーダンスが38ΩなのでスマホやPCに直挿しでも問題なく鳴らせて手軽に使用できます。
折り畳み機構と着脱ケーブルで携帯性も抜群。
限定カラーやBT版など派生モデルも充実しており“選ぶ楽しさ”もgood!
初めてのモニターヘッドホンや、DTMなどにもおすすめの定番ヘッドホンです。
AKG K701(2005年発売/開放型)
K701は2006年に誕生したAKGの当時の開放型フラッグシップモデルです。
最大の特徴は広い音場で開放感のあるサウンドと中高域の美しすぎる描写。
クラシックやアコースティック系の心地よい響き、ボーカルが表情豊かに歌う様子など、他のヘッドホンとは一味ちがうリスニング体験を提供してくれます。
低音は若干控えめなのもK701の良いところを引き出すポイントです。
飽きのこない美しいデザインもK701が定番として愛され続けるの要素。アニメ『けいおん!』登場で有名になり“澪ホン”の愛称で親しまれています。
HIFIMAN Sundara(2017年発売/開放型)
平面磁界駆動のSundaraは、37ΩでスマホやDAP直挿しでも特有の美音を問題なく再生できます
Sundaraは平面磁界駆動ならではの広大な音場、75,000Ωまでカバーする再生周波数、全体的に非常にフラットな音質バランスで価格を超えた音質をまといます。
高い解像度でキレの良い低音から煌びやかな高音までを、十分な余裕をもって鳴らしてくれる定番のヘッドホンです。
平面磁界駆動による美音を楽しみたい方は、定番にして評価の高いSundaraをチェックしてみてください。
Meze 99 Classics(2015年発売/密閉型)
99 Classicsはウォールナット無垢材ハウジングの自然な響きと鳴らしやすさで、ぬくもりを感じられるリスニングヘッドホンです。
50 mmドライバーが奏でる量感ある低域とウォームで艶やかなボーカルは、J‑POPからジャズまで“聴いていて気持ちいい!”の一言。
デザイン美と機能美が凝縮された本体は、パーツがネジ止めでユーザー自身でフルメンテ可能、着脱ケーブルでバランス化も可能。
音、デザイン、あそび心など “所有する喜び”がたくさん詰まった逸品です。
TAGO STUDIO T3‑01(2017年発売/密閉型)
TAGO STUDIO発のT3‑01は、国内職人が組み上げる50 mmドライバー+オーク材カップの本体により、限りなくフラット&ナチュラルな表現を得意とするモニターヘッドホンです。
誇張する部分はなく、極めて高い解像度がすべての帯域で“ありのままの音”をつぶさに描写します。
T3‑01の特徴は単に解像度を上げるに留まらず、ミュージシャンの感情までも届けてくれるところ!
ヘッドホンなど再生機器の目的は「原音を忠実に再生すること」ですが、T3‑01は、単に無機質に表現すればよいのではなく“想いさえも忠実に再生すること”の大切さを確信できる定番ヘッドホンです。
\Amazon.co.jp/
番外編:定番になる予感の新星ヘッドホン3選
ここからは、定番となるポテンシャルを秘めた新しめの有線ヘッドホンの中から、特に人気の3モデルをご紹介します。
モデル名 | 発売年 | 構造 | 駆動方式 | 周波数帯域 | ドライバー サイズ |
インピー ダンス |
ケーブル長 | 接続端子 (変換アダプタ) |
ケーブル着脱 |
Sennheiser HD 620S |
2024年 6月 |
密閉 | ダイナミック | 6~30000Hz | 42mm | 150Ω | 1.8m | 6.3mm (3.5mm変換付属) |
〇 |
Audio‑Technica ATH‑R50x |
2025年 3月 |
開放 | ダイナミック | 5~40000Hz | 45mm | 50Ω | 1.2m/3.0m | 3.5mm (6.3mm変換付属) |
〇 |
FiiO FT1 |
2024年 7月 |
開放 | ダイナミック | 10~40000Hz | 52mm | 350Ω | 3.0m | 3.5mm (6.3mm変換付属) |
〇 |
Sennheiser HD 620S(2024年6月発売/密閉型)
HD600系の音色を密閉型の筐体に凝縮したHD620Sは、密閉型なのに広い音場を展開するヘッドホンです。
特筆すべきは密閉型の強みである迫力のある低音とスピード感のある引き締まった高解像度の音質に加えて、密閉型が苦手な音場の広さも獲得している点です。
他のHD600シリーズと比べても遜色のない音場が全体のステージを作り上げ、密閉の高い音像が本質を描写していきます。
HD600シリーズのウォームさを残しつつも、タイトでバシッと決まるベースラインが心に響く音質は、ヘッドホンの新しい可能性を体現しています。
発売直後から絶賛レビューも続出する、次世代の定番として注目度抜群の有線ヘッドホンです。
Audio‑Technica ATH‑R50x(2025年3月発売/開放型)
ATH‑R50xはAudio‑Technica「Rシリーズ」の新しい中核モデル。
45mmドライバーが5Hz~40,000Hzの再生周波数をカバーし、199gの軽さで装着感も抜群。
開放型らしい自然な余韻と広い音場に、M50x直系のパンチある低域が加わり「この価格でここまで!?」と驚かされるコストパフォーマンスの高さも魅力です。
実売で2万円台という戦略的な価格も相まって、プロ・アマ問わず一気に注目が高まっています。
定番として長期的な人気を獲得するポテンシャル十分な有線ヘッドホンです。
FiiO FT1(2024年7月発売/密閉型)
FT1は60mmドライバーとブラックウォールナットを採用した濃い低音と美しいデザインが特徴です。
低域は量感が豊かでEDMなどの迫力あるサウンドも十分に鳴らしてくれるパワフルさ。かといって、タイトさを崩さずメリハリのあるサウンドが気持ちよく響きます。
インピーダンスが32 Ωなのでスマホ直挿しでもストレスなく接続できる使い勝手のよさにくわえ、付属の4.4 mmバランスケーブルで手軽にステップアップできて幅広い楽しみ方も魅力です。
さらにBlackとBeechのカラーバリエーションで共に木目調の美しいデザインもFT1の魅力。
発売半年で累計1万台突破という人気の高さは、定番となる実力を十分に秘めた有線ヘッドホンです。
こんな人におすすめ! 定番 vs 流行り vs ワイヤレス
「定番の有線ヘッドホン」・「流行りの有線ヘッドホン」・「ワイヤレスヘッドホン」の大まかな比較を表にまとめてみました。
定番の有線ヘッドホン | 流行りの有線ヘッドホン | ワイヤレスヘッドホン | |
音質 | ◎ | ◎ | ○ |
デザイン性 | ○ | ◎ | ◎ |
機能の多さ | △ | △ | ◎ |
価値の持続 | ◎ | ○ | △ |
定番、流行り、ワイヤレスの特徴からそれぞれのヘッドホンに“おすすめな人”は次の通りです。
- 定番の有線ヘッドホン
音質の優秀さや価値の持続に特化。
流行りとは一線を画す普遍的な高音質を求める人におすすめ! - 流行りの有線ヘッドホン
最新の音質やデザイン性に優れる。
最新の高音質やデザインを手に入れたい人におすすめ! - ワイヤレスヘッドホン
デザインや機能性に優れる。
ノイキャンなどの機能やデザインを求める人や配線が煩わしい人におすすめ!

私は定番ヘッドホンには音質を、ワイヤレスには機能性を求める派です。
目的や用途で使い分けると、ヘッドホンライフをより楽しめます。
定番ヘッドホン選びで失敗しない 6つのポイント
自分にピッタリな定番の有線ヘッドホンを、なるべく失敗しないように選ぶためのポイントをご紹介します。
定番であるかどうかにかかわらず重要なポイントもありますので、ヘッドホン選びにご活用ください。
目的や用途を考える
何を選ぶときも同様ですが、どんな目的や用途で購入するのかは、選択の基準になるので重要です。
例えば、「基準になるような高音質なモニターヘッドホンが欲しい」場合は、リスニング系のヘッドホンは除外したほうが良さそうだし、「屋外でも楽しみたい」なら、密閉型を選びたいところ。
目的や用途にそって選んでいけば、失敗する可能性を大きく軽減できます。
レビューや口コミをチェック
定番のヘッドホンはレビューや口コミが豊富です。
目的や用途に合いそうな有線ヘッドホンの情報を、豊富なレビューや口コミでチェックしてみてください。
メーカーの情報だけでなく、実際に使用してみた音質や装着感などを詳しく知ることができます。
開放型か? 密閉型か?
開放型と密閉型の特徴は異なるので、ヘッドホン選びの参考にできます。
それぞれの特徴は次の通りです。
- 開放型の特徴は…
・ハウジングの空気が通り抜ける構造
・音漏れしやすいので屋内向き
・フラットで自然な音質と広い音場 - 密閉型の特徴は…
・ハウジングを密封する構造
・音漏れしにくいので屋内外どちらもOK
・音像の構築やタイトで迫力のある低音
目的や用途に合ったものを選ぶための要素が満載です。
インピーダンス
インピーダンスはヘッドホンの抵抗値のことです。
理論上はインピーダンスが高いほど、ノイズを軽減できるため高音質に近づきます。
しかし、インピーダンス(抵抗)を高めるほど音量は上がらず、使い方によってはアンプなどを通す必要も…。
インピーダンスをチェックしておくことで、使い方に合った選択も可能になり、失敗する可能性を軽減できます。
スマホ直挿しメインで使用するのであれば、16Ω~64 Ωが扱いやすく、32Ω前後が安全圏です。
150Ω以上になるとポータブルでは音量不足になりがちなので、ヘッドホンアンプの併用が推奨されます。
なお、音質重視であればインピーダンスに関わらず、ヘッドホンアンプとセットで使用することも検討してみてください。
装着感や重量
おおむね 300g 以下が「長時間でも首やこめかみに負担が出にくい」目安。
作業用などの長時間使用も想定される場合は、できるだけ軽いヘッドホンが推奨されます。
とはいえ、そこそこ重量があっても、ヘッドバンドの形状やパッドの材質など、設計により大きく緩和されるものもあるので口コミなどでチェックしておきましょう。
用途によって製品情報は要チェックです。
価格とコスパ
定番の有線ヘッドホンなら、価格設定はみんなも納得のものばかり。
日本市場では実売1万~3万円が初心者向け〜ミドルクラス、5万~10万円ならミドル~ハイエンド入口という位置づけで、特に音質で勝負しているモデルが多いのが特徴です。
定番の有線ヘッドホンは音質的に適正な価格に落ち着いていることも多いので、目的や用途を基に予算と照らし合わせて選ぶことで、結果的に自分にとってコストパフォーマンスに優れたモデルを選ぶことにつながります。
まとめ
定番の有線ヘッドホンについて紹介してきました。
定番のヘッドホンだからこその価値があり、普遍的な価値を持つ有線ヘッドホンが多数販売されています。
そして購入に迷ったら、とりあえず定番をチェックしたりすることで、ヘッドホン選びの参考にもなります。
定番の良いところはいくつもありますが、一番のメリットは「信頼と安心」ではないでしょうか?
長年愛され続けるからこそ「定番」となります。
手元にひとつ、「定番」という信頼のリファレンスは、あなたの音楽ライフに安心を届けてくれます。
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